03/13 愛、アムール

愛、アムール [DVD]

愛、アムール [DVD]

新宿武蔵野館にて。
パリのアパルトマンに暮らすジョルジュとアンヌの老夫婦は、2人で音楽に耳を傾けるゆったりとした老後を送っていた。しかしある日、アンヌを病が襲う。さらに、アンヌは脳の手術に失敗し半身不随となってしまう。もう病院に戻りたくないとアンヌの希望を叶えるため、ジョルジュは自宅での介護を開始するが…と言うお話。
ミヒャエル・ハネケ監督作品。やっぱりこの人の作品は観た後にズドーンと来ます。相変わらずBGMは一切ないのに、なんだろうかこの演出力。BGMと言えば、この映画は水の音が印象に残っています。蛇口から溢れ続ける水、夢の中で迫り来る水、シンクに留まって花を受け止める水…。
あと、ジョルジュがアンヌを呼ぶ声のトーンがすごくよかった。心配とか労わりとか愛情が綯交ぜになったあのトーンがもう泣ける。そしてオープニングと繋がる、小菊を切り落とすシーンが美しかった!そこからの無音のエンドロールが素晴らしい。そう言えば、武蔵野館ってエンドロールで幕が引かれるまで照明上げないんでしたっけ?今回、そういう順番だったからすごくきれいにまとまってるなあって思ったんだよなあ。
以下少々ネタバレ。
2度目の鳩について「逃がしてあげた」と綴ったのは生の世界から逃がしてあげたという意味ではないかなと思ったり。でもあの鳩はたまたま迷い込んでしまっただけだから、殺すのはお門違いだと言ってしまったらそれまでだけども…。