02/23 白陰展@Bunkamura


臨済宗中興の祖と称される江戸中期の禅僧・白陰の描いた作品100点が展示されているということで、まっっったく知識は無いのになんだか気になって行って来ました。この展示会までまったく白陰のことを知らなかったのですが、まーこれがおもしろかった!
遺した作品は1万点にも上るそう。後期の作品は下書きから思いっきり逸れていて自由度高すぎだし、賛なんかも堅苦しくなくてウェットに富んだ感じで面白かったです。なので、あんまり小難しい事は考えずに楽しめました。思っていたほど宗教色が強くなかったので、ただの愉快な変わり者のじいさんが描いた絵だと思って楽しく見れました◎
音声ガイドに本展監修者が登場してくれてたのも嬉しかった。よっぽど聞き取れないわけではない限り、無理にアナウンサーばかり起用する事もないと思うんだよなあ。今回はタレントさんとの掛け合い形式だったので、一緒に説明してもらっているような感じですごく楽しく見聞きできてありがたかったー。それにしても、「拙によって巧を超え、醜を転じて聖となす」ってすごい言葉だな(笑)。
あんなに年齢層の高いbunkamuarは初めてだったかもしれない。リアル住職っぽい人もいたりで、あまり普段触れ合わない層の人がたくさんいたのも新鮮だったなぁ。
以下、印象深かった作品の感想メモ。
■すたすた坊主
腰に注連縄を撒いた坊主の絵。にっこり笑った笑顔がマンガのキャラクターみたいでかわいらしい。当時、実際に大道芸をしながら物乞いをして、お金持ちの代わりに寺社に代参する坊主がいたらしい。なんか罰当たりな感じがするけど、そういうゆるさが日本的で良いなあと思いました。

■百寿福禄寿
100種の自体で「寿」の文字を描いたもの。本当に一つずつ異なる字体だったのに驚いたー。「寿」のモチーフは白陰のお気に入りだったようで、顔文字にしたり着物の柄にしたりとたくさん使われていたのだけども、やはり100種並ぶと壮観!

■地獄極楽変相図
あの有名な地獄絵図の白陰バージョン。血の池地獄やら、誰もが知っている地獄が描かれているのですが、場面の名前を入れるはずだった枠が空欄のまま。後から入れるつもりが忘れていたらしい。地獄だというのにこのゆるさ。

■隻腕
右手の絵。白陰の作った「両手をたたけば音がするが、片手ではどのような音がするか。それを聞いて来い」という公案なのだとか。公案って面白いよねえ。京極夏彦鉄鼠の檻を読み返したくなったなあ。

いやはや面白かった。思ってたより大分ゆるくて、良い意味で敷居が低くてよかった(笑)。