02/21 写楽 閉じた国の幻(下)

写楽 閉じた国の幻(下) (新潮文庫)

写楽 閉じた国の幻(下) (新潮文庫)

さてさて下巻!写楽の正体を突き詰める怒涛の展開が非常に面白く、上巻よりもペースが上がって一気読み。なんでそこに気付かないのー!ってところ(旧暦のくだりとか)にやきもきしつつも、ほんっとうに楽しく読めました。
現代編には主人公の境遇やら性格やらにストレスを感じてしまうんだけど、江戸編の蔦重の勇往邁進っぷりにやられました。粋だねえかっこいいねえ…!おラスさん・蔦重・春朗の友情がよかった。すごく良いでこぼこコンビだなあ。蔦重のひたむきさに惚れ申したー!現代だったら脚気なんかすぐ治るのに!連れ去って病院にぶっこみたい!…って思ったけど、死期を察したギリギリのラインだったからこそ行動できたかもしれないなあ。
当時の情報を掻き集めて、時代背景やら筆致やらをひとつひとつ検めて…って職業にはロマンがあるねえ。こういう研究職ってちょっと憧れてしまう。大学で学芸員の資格だけでも取ればよかったなあ。でも何かを突き詰めて調べるのは大好きだけど、職業にするのはどうなんだろうなあとも思ったり。