02/13 アルゴ

アルゴブルーレイ&DVD (2枚組)(初回限定版) [Blu-ray]

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新宿ピカデリーにて。公開終了間近に滑り込み鑑賞!
イランアメリカ大使館人質事件を題材としたアメリカ映画。イランの過激派が独裁政権を布いていた前国王のパーレビの引渡しを要求し、52人を人質としてアメリカ大使館を占拠する。大使館から逃げ延びた6人がカナダ大使の私邸に匿われるが、万一過激派に見つかれば命はない。そこで、CIAの人質奪還のプロであるトニーが、6人を映画のロケハンに来たカナダ人クルーに扮して出国させるという作戦を立て、記者発表や事務所の設立等を行い、完璧なニセ映画「アルゴ」を立ち上げる。いよいよ決行となり、トニーはプロデューサーに扮してイランへと旅立って行き…と言うお話。
この事件、なんと実在の事件(Wikipedia:カナダの策謀)なのですが、この映画もすーばーらーしーいー!手に汗握る展開、ちょっとベタかもしれないけど、あのスリリングさは最近の映画ではなかなか体験できなかった気がする。史実に基づいた事件なので、どのような終焉を迎えるのかがわかっていてもそれでもドキドキが止まらない良作でした。だから監督は経験豊富な高齢(失礼)の監督だと思ったのだけど、監督3作目と言うから驚きだ。
どうしてこのような事件が起こったのかが冒頭で描かれるのですが、短時間なのにとても伝わりやすい。アメリカをヒーロー・イランを絶対悪として描かず、きちんと史実を伝える様子に好感度アップです。良くも悪くもアメリカ映画は自国がヒーローになりすぎることがある気がして…。そういうところも、真摯に作られた映画だなあと思いました。
カナダ大使やプロデューサーや特殊メイクのアーティストなど、おじちゃん達がいい味を出してました。スタジオ6(アルゴのニセ事務所)コンビがすごくよかったー。
空港での尋問の際、映画の絵コンテとあらすじを見せるシーンがすごくよかった。イラン側の人間が映画に希望を見出していて、あーやっぱり同じ人間なんだなあと。野原ひろしの言ってた「正義の反対はまた別の正義」って言葉を思い出しました。あのシーンはほんとうによかった!映画って良いものですねえ…しみじみ。
ひとつ欲を言えば、エンドロールのあとにスタジオ6のロゴを出してほしかったなあ。ニセ映画だけど、誰かの心を動かした時点でそれはひとつの映画作品なのだよ!!