01/30 アルバート氏の人生

ALBERT NOBBS

ALBERT NOBBS

TOHOシネマズシャンテにて。
19世紀のアイルランド・ダブリンが舞台。女性には生き難い社会で、主人公のアルバートは性別を偽ってウエイターとして住み込みで働いていた。アルバートには夢があり、その夢を叶えるために客からもらうチップをひっそりと貯め込んでいる。そんなある日、ペンキ屋のヒューバートと出会い、互いの秘密を共有するようになり…と言うお話。
傍から見たらものすごく不幸で報われない人生かもしれないけど、アルバートは夢を描いて、それに向かって行動を起こせたことに幸せを見出していたと思いたい。映画館で観たときはなんだか呆気ないエンディングだったなぁと思ったのですが、後から思い起こすとじわじわと来る良い映画です。じっくりコトコト煮込まれた良作だと思います。
以下ネタバレ的な感想をば。
帰り際、同じエレベーターに乗り合わせた人が「アルバートはレズだったんだね〜」と言っていたのが気になった…。アルバートは「男性性」になりたかったわけではなく、ただ家庭を築いて人と関わりながら生きて行きたかっただけだと思ったんだけど、どうなんだろう。作中では名言されていなかったけれど、ヒューバートの妻が亡くなった後のアルバートとのやりとりで、ヒューバートはそこに気付いたのではないかと…。この作品で描かれたアルバートの「恋」は同性愛ではなくて、彼の幸せの象徴だったんじゃなかろうか。容姿の愛らしいメイドを妻にすることは彼の描いた夢の一部であって、決して個としての彼女を手に入れたかった訳ではないというか…。キャスティングをしたかったと言うのかなあ、そういう感じだったのではないかと…おもったんだけども…どうだろう…(弱)。なんだか文字にして伝えるのが難しくてもどかしい!!