02/08 ヒミズ

池袋HUMAXシネマズにて。
平凡な生活を好む中学生が主人公。しかし家では父親の暴力と借金に悩まされ、ついには一緒に暮らしていた母が男を作って家を出てしまい、天涯孤独の身となる…。というお話。原作漫画は未読。稲中でお馴染みの古谷実作品ですが、ギャグ要素は一切ないそうです。
ストーリーの方は、一言でまとめるならば、「エクストリーム厨2からの脱却」…と思ってしまった。暴力描写、崩壊した家族、蝋燭、そして園子映画のレギュラー陣…と、園子音作品らしい色が強かったなぁ。ニッシーが出てきたのには思わず笑ったけども。いやーしかし殴るシーンがすごいね。父が息子を、主人公が女の子を、金貸しが宿無しを、殴る、怒鳴る。住田が茶沢さんをバッチンバッチン殴るシーンがなんだかリアルだった。
震災を絡めた理由がよくわからなかったなぁ。ガレキの山が映るのですが、セットじゃないと知ってしまっているのでなんだかなぁ…と。逆さまになった自転車も、転がっている洗濯機も、この映画の画面の一部じゃなくて、元々は誰かが使っていた生活の一部なんだなーと思うと興ざめしてしまうのである…。
たつえもこの映画を観たらしいので、感想聞きたいなー。
以下ネタバレ。
原作では住田が拳銃自殺するんですね。そっちの方が「アリ」だと思ってしまうけど、震災を足し合わせた結果のエンディングなのかな、とも思ったり。そう思うとラストの「生きろスミダ!」がすごく良い台詞のように思えてくる不思議。
あと窪塚がかませ犬すぎてワロタ。でも窪塚はいい役者さんだと思います。同郷だから若干贔屓目かもだけど(笑)。今回もいい演技だったなー。ワンパターンとか言われてるけど、あの雰囲気を出せる役者さんって他にいるのかなと。あの独特の雰囲気と言うかピュアな狂気、素敵だのー。