08/10 冷たい熱帯魚

冷たい熱帯魚 [DVD]

冷たい熱帯魚 [DVD]

早稲田松竹にて。紀子の食卓と2本立て。初めて行く映画館だったんだけど、雰囲気よくて結構好きー。場内もなんだか広々とゆとりのある感じで、2本立て長丁場でも過ごしやすかったです。また気になる作品があったら是非是非行きたいところ!
というわけで、ついに冷たい熱帯魚を観ましたの!映画感想、いろいろまだ書いていないものが溜まっているけど忘れないうちに新しいものから書いてしまおうー。…と言う、過去分すっとばしパターンに突入。ちなみに今回からタイトルに観た日付を入れることにしてみました。
さてさて、こちらは20年ほど前の埼玉の愛犬家連続殺人事件をモチーフとしたサスペンス。あの「遺体なき殺人」の様子ががっつり描かれております。気の弱い主人公が犯人グループに為すがままに従ってしまうシーン、一瞬で出来上がる主従関係が恐ろしい。エログロバイオレンスの詰まった2時間40分、あっと言う間でした。
主犯・村田を演じるでんでんの怪演がまた素晴らしい!村田の妻役の後半の演技がすごくよかったー。あと子分が憎めない。この作品唯一の癒しキャラだったなぁ。ニパッとアホっぽく笑うのが可愛かった!血塗れの荒野に咲くたんぽぽのような存在だった(笑)
個人的には、前評判で聞いていたほどグロくはなかったです。画面は血みどろなんだけど、なんというか、笑えちゃう感じのグロだった。現実味がないわけじゃないんだけどなー。ただ真っ赤なだけだからかな。メタボな人をバラしたらもっと脂身とかあると思うし、死体にも黄疸が出ると思うのよね。そこまで再現されてたらほんとただのグロ映画になっちゃいそうだけど。
以下はネタバレちっくなので畳みます。
ラストの車のシーンの村田の「ちょと痛いっ」に笑ってしまった。というか場内爆笑だった。解体に使う小屋に散りばめられた教会のモチーフはやっぱり園子監督だなぁと。でも、村田と父親の背景がちょっと余計な気がしてしまった。村田はただの殺人者であってほしかったような。どうせ描くならもっとがっつり…とも思うけど、父と子の確執は「愛のむきだし」でもやったことだしなぁ。
骨に醤油をかけることについて作品内で触れられていなかったけど、確か犯人の供述で「焼いているところを誰かに遭遇した時にBBQの残り物を処分していると言い訳ができるように調味料を用意していた」「匂い消しのため」って言ってた気がする。あと解体中に撒いてたバスクリンは色を消すんだとか。全然消えてなかったけど。
ラストのオチは…うーん。どうでしょう。社本は結局社本だったというか、なんというか。メガネ外してからの出来事が全部妄想だったりしたら面白いのになーと意地悪なことを思ってしまったのはわたしだけじゃないはず。目が覚めたら解体小屋で、村田が「お前、いいパンチ持ってんじゃねぇかよぉ!」って笑顔で肩をバンバンしてくるの(笑)