01/04 江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼

江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼 (光文社文庫)

江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼 (光文社文庫)

「孤島の鬼」「猟奇の果」の2編を収録。孤島の鬼はちょっと前に読んだことがあったので、猟奇の果だけ…と思ったものの、年末帰省の暇さにかこつけて全部読んでしまったという…。
孤島の鬼は安定の面白さ。後半の冒険譚テイストより、前半の雰囲気が好きだなあ。双子がすごく良いー。登場人物がいろんな意味で魅力的!秀ちゃんと吉ちゃん、諸戸と主人公の奇妙な関係が良いなあ。しかし主人公はサドいなあ…諸戸生殺しすぎるだろう…!
猟奇の果は初めて読みました。1年続ける連載だったものの、半年ほどで物語が続かなくなってしまい、途中でテコ入れして急遽明智探偵を登場させたのだとか。そのお陰で前半と後半はかなりチグハグな雰囲気に。しかしこれ、別のエンディングを書いてくれていたのですね…!後半をすっ飛ばして、巻末の3章ほどのパートへ繋ぐと、こちらの方が乱歩らしい…。そしてこちらの方が無理がない…。
新春乱歩、オツなものですなあ。