05/07 夜啼きの森

夜啼きの森 (角川ホラー文庫)

夜啼きの森 (角川ホラー文庫)

かの有名な津山三十人殺しをモチーフに、岡山県の山奥の集落を描いた物語。夜這いと近親婚の風習が残る村を舞台に、1人の青年が惨劇を起こすに至るまでの歪んだ日常が描かれています。
日本独特の閉鎖的なムラ社会が怖い。主人公の中で殺意が育って行く様を淡々と描写する岡山弁での語りが怖い。生気のない諦め切った生活がずっしり重い本です。ただ、メインはあくまでも凶行に至るまでの抑圧された生活なので、帯に書かれている事件そのものに釣られて読むとガッカリしてしまう…かも。
この事件をベースとした作品としては八ツ墓村が有名だけど、龍臥亭事件も気になるんだよなぁ。どうせ読むならアタマから御手洗シリーズいっちゃおうかな…。