04/12 独白するユニバーサル横メルカトル

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

このミス2007の第1位だったらしい。「C10H14N2(ニコチン)と少年――乞食と老婆」「オメガの聖餐」「無垢の祈り」「オペラントの肖像」「卵男(エッグマン)」「すまじき熱帯」「独白するユニバーサル横メルカトル」「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」の8本の短編が収録されています。このタイトルからして想像力をかき立てられますなぁ…。
表題作の「独白するユニバーサル横メルカトル」は道路地図帖の一人称と言うこれまでにない形式。主人であるタクシー運転手に従順に仕える様や、そこから転落していく様が描かれています。個人的には「Ω(オメガ)の聖餐」が良かったー!死体を始末させるために飼われている大男のオメガを主人公が世話する事になり、オメガと話す内に隠された秘密を知って行き…と言う話なのですが、狂った設定なのに独特の静謐さがあってすごく素敵。
平山さん作品だけあってエッジの効いたグロ描写が多々。そしてどの作品も世界観・設定自体が想像のナナメ上なのが楽しいです。