05/09 メルキオールの惨劇

メルキオールの惨劇 (ハルキ・ホラー文庫)

メルキオールの惨劇 (ハルキ・ホラー文庫)

他人の不幸の証をコレクションする老人に雇われた男が主人公。息子を殺しその首を切断した事件で未発見のままになっている息子の頭蓋骨を回収すべく、女の家に潜り込み、事件について調査を行なう。刑務所帰りの未亡人、筋骨隆々の白痴の長男、白髪の天才児である次男との共同生活で、やがて真相が見えてくるが…というストーリー。
素晴らしき狂人たちの世界です。平山作品にしてはグロ描写は控えめだけど、独特のイヤな感じは健在。舞台設定も、人種も曖昧なのに何故か妙なリアリティがある不思議な世界。アメリカっぽいけどアメリカじゃないし、登場人物は日本人っぽいけど日本人じゃないし…。バランスを欠いたゆえの安定というか、ユニークすぎる世界観がよいー。
主人公のシニカルな台詞回しがたまらんです。はじめはくどく感じるんだけど、読み進めるうちにクセになっているという…。「警官Aと警官Bに分離するところだった」って表現が秀逸でやたら記憶に残っております。あと、「サザレ」ってネーミングがすごくいいなー。と思って世界樹あたりのRPGでいつか使おうと目論んでいる(笑)。